031093 ランダム
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citadel

別れ2

夜になって、「母さんがまりおの毛少し貰うか」と言った。

まりおの尻尾の毛を3束。

それは今は私のお守りになっている。

耳にしていたリボンと三つ編みに編んだ毛を一緒に財布に入れてある。

その日の夜はまりおと一緒に寝た。

畳部屋で弟と私に挟まれて、まりおも眠っていた。

兄ちゃんもまりおの傍で寝たいと言って居間で寝た。
(居間は畳部屋の隣)

次の日はお骨にしに行くのでまりおと過ごせる最後の夜。

いつも通り観たいテレビを観て笑って、そして寝るつもりだったけど、

寝れなかった。

ずっとまりおの足を握って横になっていた。

本当に寝たのは朝方。

その日はテストがあったけど、母さんに無理を言って休ませてもらった。

もちろん仮病で。

学校を休んだのは小学校以来だった。

まりおと最後の最後まで一緒に居たかったっていうのもあったけど、

一番の思いは、『もぉ一人にはしたくなかった』から。

午前中は兄ちゃん弟は学校、母さん父さんは仕事。

一人で病院で死なせてしまったから、

『せめて最後は誰かと』って思っていた。

テストなんて後の授業を頑張ればいい。

まりおと居られるのは今日しかないんだから。

後悔はしたくなぃ。

皆が家を出た後、あんまり寝てなかったから少しだけ寝た。

それからずっと、

頭を撫でた。

その感触を残すように。

顔を見て、その姿を目に焼き付けるように。

まりおを抱いて各部屋を廻った。

全部屋色んな思い出があった。

それを思い出しながら、安らかに眠っているまりおに話かけていた。




皆が帰って来てお骨にするために動物霊園に行った。

まりおの入った棺を持って車に乗った。

棺は足元に置いた。

少し撫でてあまり顔は見なかった。

下を向いて酔うせいもあったけど、

自分でもよくわからないけど何かみたくなかった。

それから動物霊園に着いて、お坊さん(?)がお経を読んで、

それから小さい白いトラックのようなものの中でまりおは焼かれた。

あまりにちっぽけでムカついた。

これからまりおが骨になるっていうのを思うとすごく辛かった。

でも不思議と泪は出てこなかった。

骨になるまで40分程掛かった。

それまでに近くのコンビニへ行った。

帰って来た時はもぉ骨になっていて、

父さんと弟が骨を拾っている時だった。

意外に冷静で笑いながらまりおの骨を拾った。

黒くなった骨があった。

帰りはまりおのお骨が入った箱を大事に持って帰った。

家の前で中学の時の同級生にあった。

普通に笑って話せた。まりおの事も。

少し安心した。

まりおが居なくなった時は自分はどうなってしまうのだろう?って、

すごく不安だった。

本当に壊れてしまうんじゃないかと。

色々思ったけど、多分大丈夫。

今はこうやってまりおが逝ってしまうまでの事を書けてるから。




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